2022年4月22日金曜日

山の報告です その百十三

 


 Yのお義母さんの具合が悪くて、久方振りの単独春山となった。数年前に雪山のつもりで松手山に幕営、仙ノ倉に登ろうとしたが雪がなく、松手山の藪中にテントを張ったと言うバカな話があった。そこをやろうと決めた。

 仙ノ倉は往復で八時間弱、普通の人なら日帰りでやる。我々は途中にテントを張って翌日ピストン、普通ならそこで撤収して下山なのだが、我々は折角来た春山だでもう一泊して宴会をするのだ、ふっふっふ。

 今回は単独なのでテントに二泊する気はない。越後湯沢迄行ったんだから観光ホテルに泊まるとすっかと探したがない。伊豆箱根ではたまに一人客を見掛けるが、遠い所では一人客は想定外の様だ。結局駅前のビジネスホテルを予約したのだが、本末転倒支離滅裂、何をやってんだか。ま、温泉には違いないが。

 そして十九日朝のトキで湯沢入り、バスを降りたのは十時過ぎ、天気は晴れだった。暑いと感じつつ雪と夏道が混在する登りに掛かった。足跡は相当人数分ある。但し雪上の足跡は一晩で不明瞭になるので、分かり良くはない。雪が切れると笹に分け入って夏道に出るのは、常の通り。

 荷物が重いのでゆっくりを心掛ける。もっとも、急げと言われも急げない。アレルギー性喘息と診断されてから息苦しさは何時も付いて回っているのだ。従ってゼーゼーハーハーなの。

 鉄塔を越えてやっと雪の斜面になった。二人単独者と擦れ違う。ゆっくりゆっくり、と唱えつつ雪を蹴って行く。

 この日のスパッツは十年以上使っている冬山用で、自立型だ。詰まり上に留めはなく、自分でシャキッと立っているのだ。それが哀れな事に、歩き出して間もなく左のゴム(靴底を通すやつ)は切れ、右は自立を失ってグニャリとなった。もう限界ってこってす。

 松手山(1613,6m)に着いた。霞んではいるが展望あり。早速幕営に掛かる。(続)

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