2022年4月18日月曜日

閑話 その三百七十六

 

 明日から上越へ行くので荷造りをした。ザックの底に入れるのはシェラフと決まっている。既述だと思うが、中国語の学校に通っていた時同級生が商社マンで、扱っていたシェラフ天山(てんしゃん)を安く売ってくれた。

 当時の最新鋭、ダブルのダウンである。今でこそダウンは有り触れた物になったが、当時は高嶺の花だったのだ。

 最初に使ったのはどこだったのだろう。冬の塩見岳か早川尾根、或いは春の巻機山か丹後山あたりか。何たって四十年も昔の事だ、すっかり忘れてしもうたわい。それ迄使っていた化繊のシェラフとは段違いの暖かさに、驚き喜んだものだ。

 くるくる巻いてパッキングする。巻いていると弾力を感じた、前はだ。今はくちゅーと潰れて跳ね返りがない。あたしと同じく歳を取ったのだ。最近はアルプスや八ヶ岳での冬の幕営はないが、丹沢ではある。上越の春の幕営もある。寝てると寒いのだ。自分の歳の所為もあろうが、シェラフの歳の所為もあるのだろう。

 はダウンの3シーズンシェラフでぬくぬくしている。こっちはダブルの代物なのに、シングルに負けそうな勢いだ。のは新品でこっちは年寄りの差だろう。

 は他にダウンの夏用を二つ持っている。冬の幕営の時は3シーズン用と夏用を重ねて使う。それならアルプスの冬でも通用する。

 一度冬の赤岳に登ろうと話が決まり用意したのだが、実現は何だか遠のいて行ってしまっている。は冬用ヤッケ、とは言わないな、冬用のジャケット上下も揃えたんだけどね。赤岳がダメなら天狗岳ってえのもありますな。

 あたしはもうシェラフは買わない。この十年を共に過ごしたシェラフで良い。大体冬の幕営はもうしないだろう。が行けたら天狗の幕営が最後だろう。春山では、少々寒くても震えてれば良いのさw

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