2022年4月15日金曜日

閑話 その三百七十五

 

 続けて遭難を取り上げる。今月一日に八ヶ岳の赤岳で雪崩事故が発生、男性一人が亡くなった。岩場ではない、文三郎尾根の登山道を直撃したらしい。写真は赤岳山頂です。

 文三郎尾根自体が急峻で普通に言う尾根とはイメージが多少異なるが、尾根は尾根である。尾根筋は雪崩ないと思う人もいる様だが、そうでもないのだ。

 発生地点は文三郎尾根の突き上げ付近、その儘200m雪崩た。登っていた三人のパーティの一人がモロにぶつかってしまった。四月の重い雪だ、あの急な尾根を落とされたら助からない。ご冥福を祈るのみです。

 何で危ない時に、との書き込みもあったがyahooの記事なので)、それを言うんだったら積雪期は全て危ないのだ。谷間は勿論だが尾根にだって雪崩は、現に起きている。

 前にも書いたが、雪崩は運である。降雪直後の谷筋は論外だが、雪が豊富にある限り雪崩は起きるのだ。起きない時もあるが、起きる時は起きるのだ。たまたまそこに居合わすのは運命だ。

 最近は多くの人が冬山に或いは春山に入る。雪崩で亡くなる人は10%を遥かに切るだろう。冬も春も雪崩はあちこちで起きているが、出会う事の方が珍しいのだ。

 運なんて言葉を使うと不謹慎に取られるかも知れないが、本当に運だとしか思えないのだ。赤岳の件も、同日に同じルートを通ったパーティが幾つかある筈だ。彼等は運良く無事だった。運良く、だ。

 コメントに雪崩の被害者を不注意だとか無謀だとかの書き込みが多いが、あたしはそんな事は絶対に書けない。幾ら注意を払っても来る時は来るのだ。幾ら無謀に振舞っても無事な時は無事なのだ。あくまで雪崩に関してだけですよ、他の遭難を運だとは決して言わないです。

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