2022年2月10日木曜日

閑話番外 その百三十

 

 次女が冬山講習を受けて来て、話を色々と聞いた。講師は三十代の男性で、丹沢で救助活動をしていた経験もあるそうだ。西丹沢で行方不明になったらまず見つからないそうだが、そうでしょうね。写真は講習会のHPから無断借用、済みませんです。

 越後湯沢で講習だが、先ず現地迄のラッセルが第一課程、腰迄のラッセルがきつかったと言うが、そうでしょうとも。折良く降雪も激しく、絶好の講習日和だったのは結構な事。

 内容を聞くと大方は知っている内容だ。ただ、ピッケルの持ち方がヨーロッパ流になっていた。ピックを後ろ向きに持つのが昔の標準だったが、ピックを前に持つのがヨーロッパ流。滑落した瞬間にピックを雪面に刺す為だ。これは合理的である。

 あと、新雪の踏み固め方。足で雪を捏ねる様にしてから踏む。何故?と聞くと、捏ねていると雪が固まる、唯踏んでは雪が左右に逃げるだけと。成程、尤もである。

 ストップの方法は変わらない。脇を締めて小指に力を入れて体重を掛けてピッケルを打ち込む。勿論暖斜面で行うのでスピードをつける為に橇で滑り、合図と共に反転してストップを掛ける。これは巧い方法ですなあ。

 一晩中雪が降り続いた。テントはほぼ潰れる寸前、雪の壁ができて出るにも一苦労だったそうだ。聞いたら1m程穴を掘り底にテントを張ったと。講師には稜線でも風には耐えると褒められたらしいが、それじゃあ埋まっちまうだろうと、これだけは不同意だ。

 「降り続く雪の怖さをしったよ」と次女は言う。その通りなのだ。更に「本当に良い経験になった」と。うんうん、講習費は無駄ではなかった訳だ。

 九人が参加した。冬山を目指す若者と中年の諸君だったそうな。昔は山岳会が果たした役割を講習会が果たしているのだ。世の中は変わって行くものなんですなあ。それで無事に山を楽しめれば、結構な事でしょう。

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