2021年12月15日水曜日

休題 その三百九十九


 ロシアとウクライナの国境にロシア軍が七万の兵力を集結させている。やがて十七万以上の規模になる予定だそうだ。自衛隊の全兵力を上回る数である。

 ウクライナ東部にはロシア系住民が多く、以前より独立或いはロシアへの編入の動きがあった。同じ様な状況はクリミア半島だ。或る日突然自警団と称する重武装集団が現れ、一気に制圧されてロシア領になった。

 今回は兵力展開を見せているので、ブラフではないかとの見方もある。ウクライナがNATOへ加入を望んでいるので、それを阻止する脅しだろうと言う読みだ。

 ロシアは元々ウクライナは自分の領土、或いは属領だと思っている。其処がNATOに加わって、NATOの武器や兵士が入って来ては堪ったもんじゃないってこってす。NATO加盟は絶対許さない、嫌なら武力を行使するぞ、との脅しだろう、と言う訳だ。

 あたしは脅しとは思えない。グルジア国境に軍を集結させた時は、一気に侵攻してグルジア全土を制圧した。確か三日で終わった筈だ。ウクライナはグルジアよりずーっと広い。従って東部の州を幾つか制圧すれば軍は停止するだろう。そして住民投票が行われて、その地域の独立或いはロシアへの編入が決まるだろう。ロシア軍が駐屯して、NATOとの戦線は西へ移動する。ウクライナへも圧力をかけ続け、NATOへも睨みを利かせる。戦闘目的は達成できた事になる。

 アメリカとNATOが傍観してる場合のシナリオではあるが、傍観する可能性が高いと踏んでいる筈だ。やれる事は口先の抗議と経済制裁位だと踏んでいるかも知れない。そしてその読みが当たっているのでは、と思ってしまう。

 NATOに加わらなければ良い訳だが、そうなると東部のロシア系住民の保護を言い出すだろう。どっちにせよウクライナは東部の数州を失うのでは。ロシアは実に困った国です。

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