2021年10月7日木曜日

山の報告です その百八

 


 高曇りの合間に星が光っている。密雲ではない。やったぜ、とカップラーメンなぞを啜ってお茶を飲み、トイレへ出掛ける。幕場(墓場じゃないよw)は小屋から大分離れている。岳沢のこっち側なの。だからゴーロの岳沢を渡るのだ。暗い上に歩きにくいゴーロ、フラフラしてしまうのだ。

 薄明るくなった五時丁度、アタックザックを背に歩き始める。去年の轍は踏むまいと、ゆっくり行く。去年は結構どんどん歩いたので、下りになって膝に来た。尤も頂上近くではよろよろになって登ったんだけどね。

 去年、ストックを縮めて持って登った女性がいた。今年はその真似をしてストックを持っている。岩場じゃ邪魔だろうが、手首にぶら下げてれば良いのさ。

 暫く行くと最初の梯子が現れて、後は唯々急登になる。その頃はすっかり明るくなっていた。何人かの若者が抜いて行く。

 そう言えばあたしの年齢近辺は、前日小屋に着いた時に降りて来た六人のパーティだけだ。あとは若者か中年である。五張りのテントではあたしが最高齢者、調べてないが決まってる。前日擦れ違ったカップルの女性が「テントを背負ってるのね」と連れに珍しそうに言っていた。年寄りの冷や水ってかw

 見晴らしが良くなって行く。時々小屋が見えるが、距離はそう離れずに高度差だけが増えて行く。登りが急ってこってす。上の写真の中央から右下の赤いのがその小屋だ。乗鞍も奥穂も姿がくっきり。詰まり前穂もOKって事で、とても嬉しい。

 雷鳥平を越えたら雷鳥が登山道にいた。あたしが近づくと先へ行く。で、あたしが又近づく。雷鳥は又先へ進む。三回繰り返して雷鳥は這松に入った。可愛い氷河期からの生き残り、この先も生き延びて欲しいものです。

 行程の七割近くを終えたかと思う頃、突如ガスが湧いて来た。乗鞍の頂上はガスに巻かれた。奥穂の頂上にもガスが掛かる。ヤバッ!

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