休題 その三百八十五

 

　スペースＸ社が商業宇宙旅行を成功させた。三日間地球上５７５Kmの軌道を回って十八日に無事帰還したのだが、皆さんとっくにご存じの事だろう。ISS（宇宙ステーション）より高い軌道で尚且つ三日間、プチ宇宙旅行と言っても良いかな。

　乗客四人のみで行って帰って来たのだが、全てはコンピューターと地上制御なのだから凄い。そういう時代になったんですなあ。費用は二百二十億円弱だそうで、一人当た五十五億円弱、とてもじゃないが宇宙旅行が一般化したとは言い辛い金額だ。

　今発表されている写真は四つ並んだ座席と、本来ならISSドッキング用のスペースをガラスのドームに変えた先頭部分のみなので、多分狭い環境だったと思わされる。でも、それでは三日間はきついだろうから、他にもスペースが有るのでは。将来的には七人の乗客を乗せると言っているのだから。今に詳細な情報が出て来る事だろう。

　面白く感じたのは、三日間という設定だ。入口とは言え宇宙に行くのだから、たっぷり味わってね、なんだろうね。一度打ち上げれば回収するだけ。何日軌道を回っていても経費はそれ程増大しないのだろう。

　トイレは先頭のドームにあるそうだ。トイレからの展望は、文字通り絶景でしょう。トイレ訓練も含めた乗客訓練は、三十時間行われたとある。変な事されると帰れなくなるかも知れないので、真剣だったろう。

　九十分で地球を一周する。詰まり夜と昼で九十分。割とせわしない。最初に景色を見た時は息をのんだだろう。最初に無重力を味わった時は感動しただろう。でも三日続ける、それも閉じられた限りある空間で、あたしなら「もう帰ろうよ」なぞと言い出しそうだｗ

　観光なんだから一日で良いんじゃないかな。アジの開きも温泉もないんだし。こんな事を思うのは爺さんだからでしょうなあｗ