2021年8月27日金曜日

休題 その三百七十九

 


 八月十五日は希しくもアメリカの敗戦記念日となった。アフガニスタンである。撤収と言うが、立派な敗戦である。二十年頑張ったが駄目だった訳だ。

 ソ連は十年で撤収(詰まり敗戦)したが、その倍の年数を空費した。時間ばかりではなく莫大な費用と多くのアメリカ兵の命、それの何十倍ももアフガニスタン人の命をもだ。

 サイゴン陥落を思い出させるカプール陥落の様子だが、南ベトナム崩壊とは比べ物にならない速さでアフガニスタン政権は崩壊した。その政府は、どんだけやる気も国民の支持もなかったんだろか。そんなポンコツを支え続けたのはアホじゃ。あたしは他所から気楽に言ってるだけだとは、自覚しています。

 アメリカにとっては他に選択肢はなかっただろう。二十年で駄目なら五十年でも駄目なのだ。泥沼から抜け出すのは速いに越した事はない。気の毒なのは現地の協力者達だ。彼等に脱出の期間を与えなかったのは、アメリカの汚点として残る。

 アメリカに代わって影響力を持つのは当然シナであろう。次いでロシア。そしてパキスタンとイラン。この四ケ国の睨み合いとバランスの上でタリバン政権は存立し得るだろう。但しタリバンも一枚岩ではなさそうなので、今後の予想はつけにくい。あたしの仕事じゃないので構わないけどね。

 シナは台湾に、お前の所もいざとなればアメリカに見捨てられるぞ、アフガニスタンを見ろ、と恫喝した。さい(字だ出ない)総統は台湾は民主主義が根付いた国家だ、アフガニスタンとは違う、と切り返した。

 その通りである。台湾国民には国を守る気概がある。自国を守る気のない国の為に誰が血を流そうと言うのだ。そもそも中近東には国家と言う概念が乏しい。欧米流の価値観とは異なる世界なのだ。

 さて、日本はどうでしょうかね。自国を守る気概がありますかね。

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