2020年3月23日月曜日

休題 その二百九十四


 人間国宝美術館とは言え、それ以外の作品も多い。ピカソを初めとした海外の作品も増えた。結構見応えがありますぞ。
 人間国宝の茶碗を選んで抹茶を飲ませてくれるサービスもある。あたしは志野の鈴木蔵、妻は備前の山本陶秀を選んだ。美味しいんですよ。因みにあたしの志野は二百万円、妻の備前は四十五万円の値段が付いていた。どうでも良いんだけどねw
 駅に戻ってバスに乗る。旅客は若い女性のグループのみだ。ホテルは結構古い。入口の看板には十二組の名前が書かれている。ふーん、今日は十二組かと思ったが、広い風呂では一人しか会わず、貸し切りだ。妻に聞くと親子連れが四人来たが、立ち寄り湯の客だったそうだ。
 食堂に行くと三組分しかセットされていない。詰まり泊り客は三組なのだ。各部屋には名前が貼って有る。しかし人のいる気配はない。妻はこの状況だからドタキャンだろうと言うが、あたしは景気づけだと思う。客より従業員の方が多いのだから、せめて名札位は並べて置きたいのだろう。
 そう思うと哀れである。あたしに哀れがられるのはさぞや不快だろうが、古くなったホテルの行く末が感じられてね。風呂は原泉で80℃、良い風呂なのだ。昔は客が押し寄せた事だろう。でも今は、である。
 妻は古い部屋を嫌う。あたしは全く気にならない。そのホテルは古いなりに手入れが良く、妻も文句はなかったけど。
 出来たら古くて客を呼べなくなって来た宿に泊まりたい。あたしが止まったって何の助けにもならないのは承知だが、それでもそうしたいのだ。人が押し寄せる宿には、人が来るんだから。
 此の件に関しては妻と意見が合う事は決して無い。そして二泊の旅は終わったのでした。旅の終わりは寂しいものであります。

2 件のコメント:

悪戯っ子 さんのコメント...


飲み物も食べ物も器によって味が変わりますね。
例えば缶ビールよりも瓶ビールの方が美味しい。

オイラ的に序列を付ければ瀬戸物
硝子
アルミ缶
ペットボトル
鉄缶

缶ビールは開けてから直ぐに酸化し始めて、酸っぱく成ります。
瀬戸物は表面は硝子質ですが、何となく瓶より瀬戸の方が美味しく感じられます。
鉄缶は内側を可塑性プラスティックでコーティングしているので最悪だ。こんなのを飲んでたら子供が出来なく成ります。
妙な物を発明した奴がいる。昔のバイク仲間だが、
何時も二台で、四人であちこち行きました。
その彼(ヤマハ ; 2スト 305cc)の発明がセラミックです。3センチ大のセラミックの上にコップを置くだけでコップの中身は美味しく変わる。

彼がくれたマグカップは白地にブルーが少しだが、スーパードライは円やかな一番搾り風に変わるのです。
セラミック自体は炊飯器に入れれば美味しい、ご飯が炊ける。まあ炭と同じ効果だが、炭ではコップの中身に変化は与えられない。

気功では、訓練を積むとコップの中身の味を変えられます。
オイラは茶会で同じ茶葉を使っても師匠の点てたのが上手い。何故か? 多分気功師と同じなのだと思います。

kenzaburou さんのコメント...

瀬戸物はセラミックなので、当然一番旨いですなあ。