2020年2月27日木曜日

休題 その二百八十八



 “道迷い”の続き。迷ったかな、どうしようと迷うなら引き返せば良いのだが、もう一寸と行ってみようなぞと考えて進むと、遭難騒ぎになっちまう。下りで迷い易い。或る程度下ると、もう登り返す気力を失う。沢に下って動けなくなる。永遠のパターンですなあ。
 次の滑落。文字通り滑り落ちるのだが、岩壁登攀や沢登りは当然だろう。登山道でも岩 
稜だったら命取りになる。岩稜でなくとも、傾斜のキツい場所では危険極まりない。
登山道である限り、そう簡単に滑落する造りにはなっていない筈だが、それでも滑る時には滑る。九十九折れ(つづらおれ)で五十年の間に三回程滑落した覚えがある。
 積雪期ならもっと可能性が増す。特に日当たりの良い場所。雪が融けて氷になって、そのうえに雪が乗ってる場合が多い。足を置くとツルッと滑る。アイゼンは絶対必要だ。それでも滑落するですよ。Yの様に踏み抜いたりして。疲労が重なっていると、思いもよらぬアクシデントがあるものです。
 次が転倒。転ぶって事だが、場所に依ってはその侭滑落になる。如何にも危険な所は慎重に行動するのでそうは転ばない。転んだら命に係わるって分かるから。
 多くは何でも無く思われる所で転ぶのだと推測できる。登りで転ぶのは良い。あ、と手をついて終わり。横倒しはチトまずい。横方向へ滑落すつかも知れないので。でも、殆どそれは無いのではなかろうか。
 下りで転ぶのが怖い。爪先を木の根や岩角に引っ掛けると転ぶ。若者は体制を立て直せるが、年配者は素直に転んでしまう。するとゴロンゴロンかザーーッ!になって落ちる。怪我するか、下手すると命を失う。イテテテで済めば上出来なのだ。
 転倒は下りに付物だ。登っての下りだと疲労もしている。より転びやすくなっている。以上三点で70%の事故です。(続)

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