2020年2月14日金曜日

休題 その二百八十四



 韓国映画の「パラサイト」がアカデミー作品賞を受賞した。英語ではない映画では、史上初の快挙だそうだ。
で、妻と観に行ったのだが、最前列に離れて二つ席が残っていて、我々が購入したら満席になった。平日なのに流石話題作です。例に依ってネタばれの恐れがあるので、これから観に行く予定の方はスルー願います。
 結論から言うとアカデミー作品賞も程度が落ちたんじゃねえけえ、である。佳作ではあるが最優秀賞作品ではない。あくまであたしの個人的感想なので悪しからず。
 確かに俳優も監督も巧い。絵にも拘っていて、丁寧な描写だ。リアル感は日本の映画の比ではない。日本映画の質が悪すぎるのかも知れないけど。とか言って、ロクに日本映画は見てないのにね。
 社会格差を正面からとらえた作品と位置付けられている様だが、あたしはミーハー野郎なもんだで、金を払って映画館に迄行って社会問題と向き合う気なんざ更々ない。映画は楽しむものだと思っている。
 「パラサイト」もエンターテーナメント性はある。充分ある。それでも嘘をベースにした努力は虚しい。従って嘘が綻びだすと悲劇へと転落せざるを得ない。
 嘘をベースに成功して行く家族に見ているうちに同化し、バレないかとハラハラさせられてしまうので、監督の力量は流石です。
 悪役も善玉もない。なる様になるって事だろうが、その過程では嘘で人を蹴落とす。自分等は幸せになって行くが、その代償に不幸になって行く人達がいる。
 結局、不幸になって行った人達の報復を受ける形になるのだが、そもそもの構成ががあたしの好みに反する。もっとまともな展開も想定できそうなもんだけどね。
 ラストは多少良かった。あれがあったので多少は救われるですよ。一見の価値ありとは言い辛いけどね。

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