2019年12月27日金曜日

休題 その二百七十五



 前章の第9へ行った日は二十二日の日曜日、原宿からNHKホールへ向かったのだが、歩道橋のあたりから「同行させて下さい」と書いた紙を持った人が続いた。雨模様の中、ず―っと続いている。
 妻は「あれ何かしら?」と問うが分からない。すると「チケットを売って下さい」と書かれた紙が出て来たので、推測が着いた。先には国立競技場が有ってフィギア競技の最中なのだから、絶対にそれだ。
私「あれはフィギアのチケットを売ってっ、て言ってるんだ」
妻「でも、同行して、って変じゃない?」
私「ダフ屋は違法だから、一緒に歩き乍ら隙を見て切符を売るんじゃないかな」
妻「そうかしら」
 いやあ、とんちんかんな推測でした。フィギアのチケットを求めているのは正しい。「同行して下さい」は、連れが来れなくなった人がいたらその切符を回してくれ、と言う事だった。ネットで潜って分かったのだが、今はチケットを買うにも、誰が買ったかチェックが入る場合も有るらしく、転売はやりにくくなったみたいだ。
 妻は最近フィギア好きになり詳しい。競技場の入口で列を造り始めた諸君をみて「十九時からなのにねえ」と驚いていた。その時は十四時十五分位だっただろう。
 第9が終わったらもう真っ暗。丁度冬至の日だった。予報通り雨が本降りになっていた。驚いた事に、未だ結構な数の人達が、雨にうたれて「同行」とか「売って」を持って並んでいる。其れ程に入りたいのか!
 フアン心理とはそんなもんなんでしょうなあ。あたしには理解不能だが、一寸と感動的ではあった。あたしがチケットを持っていればどんどん売って上げるのに。
 結局チケットを手にできた人は少ないだろう。無根拠な推測だけどね。気の毒に。

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