2019年12月21日土曜日

閑話 その三百六



 下りは田代の半僧坊へ向かう。SもKも下りに弱い。特に足首が固まったKは弱い。それなのにやや急な下りになる。まあ、どっちに下っても急なんだけどね。足元には愛川町が広がっている。未だ大分下らされそうだ。
 Sに疲労が蓄積されてきたかな、と見るうちに滑って転んだ。転び方は流石に巧く怪我はない。結局二度転んだ。筋肉も相当衰えて来たのだろう。病気をうんとしたから仕方ない事だが、Sの体操部現役時代を知ってるだけに、一寸と寂しくはある。
 積もった落ち葉を踏みつつ下る。と、青年が一人登って来る。時間的にもピストンだろう。今日、山に入って初めて会う人間だ。そして最後の人間でもあった。この山域は意外と穴場かもしれない。人は余り入らないし、結構登降がきつく稜線には鎖場もある。植林もあるが、其れ程多くはない。麓近くは植林だらけだけどね。
 地図上で下りは一時間だが、我々は二時間で下れりゃ良いや、ってな感じである。二人非健常者を抱えているのだから妥当な処だ。
 実際二時間近く掛かって半僧坊のバス停に着いた。御疲れ様!である。バスは九分待てば来る。やったぜ、であります。
 行きは清川村からだった。こちらのバスは一時間に一本。下りは愛川町に下ったが、こちらのバスは一時間に三本。くれはどう見ても愛川町に下るの一手だろう。
 空いたバスに乗り込んだが、途中からどんどん人が乗って来る。厚木近辺はバスしかないのだから当然だ。しかも相当奥地迄住宅地になってしまったのだから、偉い人口増加だろう。鉄道でも欲しいところだ。
 厚木に着いてから王将で一杯やった。割と飲み食いして電車に乗って、S、Kとは町田で別れ、止せば良いのに小腹が減った気がして花丸で子ぎつねを食べた。喰い過ぎになって苦しいの辛いの、胃が縮んじゃったんだろう。情けなかでした。

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