2019年12月24日火曜日

休題 その二百七十四



 一昨日、N饗の第9を妻と二人で聞いて来た。次女がプレゼントしてくれたので行けたが、自費ではとても無理ですな。何と一生無縁だと思っていたS席を取ってくれたので。
 二階の左側、前から四番目なので直ぐ其処が舞台、楽団員の動きも実に良く見える。音もその侭飛んで来る(?)一等席だった。
 思い返せば次女と長男を連れて同じN饗の第9を聞いたのは平成十七年の暮、三階席だったので一席四千五百円か五千円だっただろう。だから妻も入れて四人で行けたのだ。S席は一万五千円、偉く贅沢をさせて貰った。
 指揮者はシドニー出身の女性。オーケストラの女性指揮者は初めて見た。これが小気味良く曲を仕上げて、流石だと唸らされたです。
 音がシャープで綺麗だ。第一楽章の冒頭の木管が安定した響きを持続する。弦も澄んだ音だ。N饗ですなあ。ティンパニーのおじさんが、切れの良い動きで花を添える。
 さて、コーラス。女声五十五人、男声四十五人、都合百人だが百人とは思えない声量なのだ。ゾクッと来る迫力で、N饗相手に全く引けを取らない。小澤征爾の造った「東京オペラシンガース」と言うグループ。
 極当たり前なのだが、CDで聞いて居るあの第9は何だったんだ?としみじみ思わされてしまった。生の演奏は全く別物なのだ。それにS席だし(くどい?)。
 何とも圧倒されんばかりの状態で曲は終わった。当然、満員の会場からは嵐の様な拍手。誰かが何か叫んでいるが聞き取れない。多分「ブラボー!」なんでしょう。
 結局四回のアンコールとなったが、あの見事な演奏では仕方ない事だろう。掌は少々痛くなったけれどもね。
 開始前のロビーも印象的だった。ワインやシャンパンのグラスを手にした人が大勢たむろっている。如何にも、らしい風景である。
 良い冥土の土産となりました。

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