2019年9月11日水曜日

休題 その二百六十二



 この前の閑話では、源次郎沢をF5迄やって花立へ登って下り、一泊して散々虫に喰われ、翌朝里湯に行ったら工事の為休業だったと言うあたり迄触れた。二人とも喰われた所(多くて特定できない)が痒いので、里湯の塩湯を楽しみにしていたのに。
 二つ説明しよう。里湯の内風呂は新しく市が掘った原泉なのでとても深く、塩が解けだして塩辛い。虫に刺されたら塩が痒み止めになる。以上二つでした。
 では、梵天荘に行こう。少々歩かせるのがバテ切ったYには気の毒だが、こんな機会でもなければ行く事もあるまいて。
 フロントに立って声を掛けるが留守だ。ドアは開け放たれていたから営業中だろう。何時もの通り、勝手に石段を登って風呂場へ向かう。
 梵天荘の湯は古い原泉なので塩辛くはない。しかし汗を流して湯に浸かると痒みも消える思いだ。小さい湯船なのでYには物足りないかなと案じていたが、御気に召したのは何よりだ。こじんまりしていても、非常に感じの良い湯船なんでね。Yは里湯の広い湯船を何時も喜んでいたが、広くても狭くても、良い風呂は良いって事なんでしょう。
 ゆっくり入ってからフロントに戻るが、未だ無人である。Yを女将に会わせたかったが仕方ない。女将の相模弁も聞かせたかった。尤もYは宇都宮出身だから、あの微妙なイントネーションは絶対に理解不能でしたw
 「お留守でしたので勝手に入浴しました」とメモを付けて二千円をカウンター裏の電話の脇に置く。これでメモと料金を置いておくのは二度目だ。
 この小さな旅館も女将が元気なうちだけだろう。今だって採算は取れてるんだろうか、と余分な心配をする有様だ。
 又暇をみて訪れましょうか。

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