2019年8月9日金曜日

休題 その二百五十八



 そしてもう誰も月に行かなくなった。無闇と費用が掛かるにしては得るものがないってか? そんなとこだろう。身も蓋もないけど、人は夢を喰って生きているのではない。
 探せば月にも希少金属があるだろう。地球でその物質が絶対的に不足して人類存亡の危機に至る、って局面でなければ、その物質を地球に運ぶ費用の方が物質の価値を上回るだろうから、誰も採りには行かない。
 又月に行くとNASAが計画しているらしい。シナが試みるなら分かるが、再び月へ、は上記の理由で計画倒れになるのではなかろうか。あくまであたしの勝手な意見ですよ。
 NASAなら月より火星を狙うのでは。直線距離で月へは38万km、火星へは7千8百km、二百五倍の距離だ。大きな楕円軌道で火星に到着するには、最良な位置関係でも二百六十日は掛かる。これならやってみたくなるでしょうが。
 何せ日数が掛かるので月に行った様な狭い宇宙船では、クルーの精神状態がもたないらしい。まあ、当然でしょうな。或る程度の個人のスペースは確保しなくちゃね。
 船旅と違うのは、必要資材と食糧と燃料だけを積み込めば良いのではなく、水と空気も持って行かなければならない事。どこからも補充できないのだ。膨大な量になる筈だ。
 放射線に晒され続けるし、無重力の弊害もクリアーしなければならない。2001年宇宙の旅の宇宙船に近い規模にはなるのでは。途轍もない大計画ですなあ。オバマ氏も大統領時代に火星に行く、とのたもうていた。トランプ氏も似た発言があったとか。
 その困難を乗り越えるのがロマンなのだろう。あたしは宇宙好きなのでやっては欲しいけど、壊れかけている地球を何とかする方が緊急じゃないかと思ってしまう。年を取ったですかね。それに山本夏彦氏のエッセーの題が浮かぶのだ。
 「何用あって月世界へ」

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