2019年8月6日火曜日

休題 その二百五十七



 アポロ11号で人類が初めて月面に立ってから五十年目である。実際に月面に着陸したのはシャトル便なんだけどね。
 早いものである。もう半世紀たったのだ。アポロは17号迄あって、13号は事故を起こして奇跡的に地球に帰還できたから、月に行ったのは結局六回となる。その後が誰も月には立っていない。
 アポロ13号は映画でご承知だろう。主席管制官を演じたエド・ハリスが印象的だった。極めて個人的な見解なのだが、急遽乗組員になったクルー役のケビン・ベーコンはミスキャスじゃないかい。ケビン・ベーコンは悪役との摺り込みが強くて、何かバカやるんじゃないかと常に疑っていたもんで。
 今年は五十周年を記念して、当時のフイルムを編集したドキュメンタリーのアポロ11号、ドラマ仕立てのファースト・マンの二作品が上映された。
 今更ドキュメンタリーを見たくもないので、ファースト・マンをDVDで見た。これは映画館で観た方が良かった。
 テンポが良い。余計な説明は一切しない。どんどん話を進める。とてもあたし好みですなあ。妻は「これはどうしたの?」「ね、死んじゃったの?」と煩い。見てれば分かる造りなのだから、黙って見てれば良いものをね。
 尤もテンポを滅茶苦茶良くしなければ、月に行く迄の複雑な出来事は表せられない。三巻に分ける大作になっちまうだろう。観客の多くは寝てしまうだろうね。
 アポロ計画全体で、今に換算して十兆円以上(!)の費用を必要としたそうだ。そりゃそうでしょう。月を往復する宇宙船(小さな物だが)だって、ほんの一つ不具合があれば、クルーは全滅だ。
 アメリカの威信を賭けてNASAが頑張った訳だが、100%の成功は有り得ない。政府は弔辞を用意していたのだから。(続)

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