2019年5月27日月曜日

閑話 その二百八十六



 ツェルトの片方は木に紐で結び、入口の方はストックを支えにして張り綱で固定する。ポールなんざ持って来なくても有る物を使えってこってす。
 荷物を入れてYと二人で入ると、当然だが狭い。今迄は三、四人用の広いテントだったので、驚く程狭い。まあ、承知の上だったんだけど、身動きが取れなくて困る。これと同じツェルトに、冬山でN、Kと三人で暮したのだが、どうやってたんだろう? 冬山装備もたっぷり入っていたのに、実に不思議ですなあ。
 Yがごそごそ動くと引っ張られてあたしはツェルトに押される。逆も有る。何でも寝た形で行わなければならない。うーん、意外ときついじゃないかい。
 でも、文句は言うまい。ちゃんと頂上に立てたのだからね。考えれば何時ものテントはゴアじゃないので、広い割に軽い。よし、今度似た様な登り方をする時は従来のテントにしよう。其の位なんてこたあないって。何時でも頭を押さえられているのは辛いでよお。すっかり贅沢が身に付いてしまった我々なのです。
 狭くたって、酒を飲み飯を喰わねばならない。そこは良くしたもので、半身を起こしてウイスキーで乾杯だ。半身でも酒は美味い!
 ザックは縦に置いて、その上に足を乗せて寝る。Yがあっと言う間に寝付くのは常の如しである。碌に眠れないあたしがYを起こして、夜の宴会が始まるのも常の如し。
 谷川岳の時の様に、今回も日本酒一合パックを二つ出して熱燗にした。其処へ梅酢を垂らすのだ。これはすっかりYのお気に入りになった様だ。気の向いた方はお試しあれ。意外と美味しいですよ。
 外は深いガスになった。だーれもいないのだから騒ぎ放題である。実際は騒ぐ訳じゃないのだが、二人とも声は大きいので外に人がいれば騒がしいだろう、と言う意味です。そしてうつらうつらしたらば朝なのだ。(続)

2 件のコメント:

悪戯っ子 さんのコメント...

二十歳の夏に与論島へ行った。
沖縄の一つ手前の小さな島だ。三人で行ったのだが、荷物が多い。六天 テントに簡易ベッド、、、おまけにオイラの教科書、シュノーケルやゴーグル。灯油で使えるヤツ。絵描き道具一式。自転車、14フィートのセールボート。背負子が矢鱈、に重くなったね、、、
鉄製のそれは下ろした時に凹んだ❗
晴海迄は従姉妹に送ってもらったが、船にいれるのが大変だ背負子は二人で持上げてから背負う。十分と持たないのだ。
馬鹿さは若者の特権だ🎵
つづく

kenzaburou さんのコメント...

それじゃあ重いなんてもんじゃないでしょうがw

六天って何ですか?