2019年5月24日金曜日

閑話 その二百八十五



 稜線に出てから山頂を目指す訳だが、以前は踏み跡程度の路だった。今回は良く踏まれていて、そこそこの路になっている。このルートで登る人が増えたって事だろう。
 幸いな事にサラッとした気候なので、登るには持って来いである。これがジメーッと蒸すと偉く体力を消耗するのだが、其の点は全く問題ない。従ってYの水消費量も少なくて済む。水を減らしてるので大助かりなのだ。
 一時間弱で大室指からのルートとの合流点に着いた。我々のルートも合流したルートも、共に赤破線のルートだが、大室指からの方がメイン扱いである。道標もそっちを示しているのだ。そこいらもバイケイ草が群れている。
 分岐点にザックを置いて空身で頂上へ向かう。ほんの一寸とで頂上に着いた。やったぜ、ピークを踏めたのは何年ぶりだろうか。
 頂上には二パーティ、五人の登山者がいた。折角だから犬越路への分岐点、詰まり主稜線迄足を伸ばす。と言っても五分で着くんだけどね。小太りのおじさんが犬越路方面から登って来て、その侭ベンチに横になった。相当疲れている様子だ。Yもそうだが、小太りだと辛いのだ。来るだけでも偉い。
 主稜線には木道ができていた。バイケイ草もちらほら生えている。植生保護の為に神奈川県は頑張ってるんですなあ。
 もう一パーティが登って来る。皆さん若いか中年だ。あたしとYが飛びぬけて老けている。連休中だからそうなんだろう。Yも含めて皆さん確りとした登山スタイルだ。作業ズボンに地下足袋なんて、あたしだけだ。
 大室山は木が邪魔して展望が今ひとつだ。丹沢の山は殆どがそうなのだから仕方ない。樹林帯の中級山岳の宿命です。
 頂上を辞して分岐へ戻る。さて困った。バイケイ草だらけでツェルトを張る場所がない。あちこち当たって、数本は踏むが、一番被害が少なそうな場所を決めた。(続)

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