2019年3月10日日曜日

閑話 その二百七十八



 Yは毎年春山へは行くが、本格的冬山に行った事がない。冬の丹沢のみだ。寒さに強いYなのだから冬山は持って来いだと思うのだ。
 それである日こう言った。
私「Y、春山や沢の経験も積んだんだ、一度冬山へ行ってみないか」
Y「え、そんなの無理」
私「無理なもんかよ。冬山用のジャケットとオーバーズボンがあれば装備もOKだ」
 Yは「むーん」とか言っていた。何、そのうちに連れて行くさ。でも、何処へ行くだかね? あたし自体が登れねえだよお。
 先月中ごろYから電話があった。
Y「今、高輪のモンベルにいるんだけど」
 高輪プリンスの向いにモンベルの店がある。都心のアンテナショップなのだ。
Y「冬用のジャケットを見ているんだけど、綿入れみたいのは必要?」
私「そんなのいらない。確りした物なら良い」
Y「そういうのを探して見る」
 暫くして又電話があった。
Y「フード無しでも良いかなあ」
私「駄目だ。吹雪かれたらどうしようもない。厚手の確りした物だって」
 何か適当な物を見つけるだろうと思っていた。何せ山道具を買う名人なのだから。それから十日程して会ったら、モンベルのジャケットを着て現れた。冬用の確りした奴だ。
Y「これなんだけど、どう?」
私「完璧だ」
Y「じゃあ次はオーバーズボンだな。小遣いを貯めなくっちゃ」
 ジャケットは二万円以上で購入、ズボンは三万円以上する、と言う。当然なのだ、冬山用なんだから。あたしの上下だって二十年位前に、五万円以上したのだ。って事は相当痛んで来ているんですなあ。
 Yは少なくとも冬山装備は揃える気になった訳だ。本気で何処へ行くか考えねばね。

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