2018年12月7日金曜日

休題 その二百三十四



 キム・ヨプール戦争、第四次中東戦争と言った方が分かり易いかも知れない。アラブ諸国(主力はエジプト)とイスラエルの戦争である。イスラエル独立戦争から数えて四度目の本格的戦争であった。
 1973年のこの戦争で初めてイスラエルは、完全な勝利を得られなかった。アラブ軍の奇襲が成功して初戦では、無敵と思われたイスラエル軍が敗退を続けた。やっと体勢を整えて反撃に転じた時に休戦になったのだ。イスラエルの感覚では敗北感の方が強い筈だ。
 その後エジプトのサダト大統領の和平の呼びかけを受け、イスラエルはサダトを招いた。イスラエル議会でサダトは歴史的演説を行い、エジプトとイスラエルの和平実現となる。そして長く続いた中東戦争は終わりを告げた。何の話かって? これから書きまんがな。
 ネットフリックス製作の「コードネームエンジェル」と言う作品がある。主人公はサダトの前任者の暗殺されたナセル大統領の娘婿だ。彼がモサドのスパイになるのだが、実は二重スパイだった。開戦の情報を流してはガセで終わる。狼少年の役割だね。
 地味な映画だ。実話だと言うので驚いた。そして、さもあらんと思った。イスラエルがモサドの何度もの警告にも係わらずに、見事奇襲を受けたには何か訳があると思っていたので。
 映画の評価を読むと、ブーイングが多い。あたしは全く評価が違う。立派な佳作だ。ネットフリックス作品の中では最高と言っても間違いない。尤もネットフリックス作品は質の低い物が多いのでね。それを勘定に入れなくとも上質な映画である。一般受けはちと難しいだろうけど。
 無名の俳優ばかりの碌に山もない映画だが、DVDにもなっているので、気が向いたら観て欲しいものです。
 但し、中東やイスラエルに興味がない人にはお奨めしません。寝ちゃうでしょうから。

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