2018年8月7日火曜日

休題 その二百二十一



 六十四歳で水道局の下請け会社を辞めた。原チャリで走り回る仕事だったので、事故を起こす前に辞めたのだ。
 それから仕事を探し回ったが、当時は歳を伝えると皆断られた。今は七十を過ぎていても求人が有るそうだが、余程人手不足になったと言う事だろう。これだけでもアベノミクスは成功したと思われる。
 仕方なくシルバー人材センターに加盟して、幾つかの仕事を歴任し、現在は図書館の裏口受付業務に着いている。月に十日程で良いので、収入は少ないが気に入った仕事だ。
 その合間にスポットの仕事が入る。町田市から請けるのだが、共済保険のパンフレット配布とか、ゴミ袋配布の仕事だ。
 パンフレットは原則前所帯配布なのだが、一戸建てと集合住宅では一部当たりの報酬が異なる為、地図に数字を書き込まなければならない。マンションや戸建てで投函物お断りと表示してある所には投函してはいけないので、その番地と名前と枚数を別用紙に記入しなければならない。意外と面倒なのだ。
  部数は百二十部程なので、周り順を決めて半日で終わらせる。勿論途中でパンフは無くなるので、家に何度も取りに戻るのだ。時給で見ると五百円だろう。「時給五百円の仕事に行って来るよ」と出掛けるのだ。妻は「そんな大変な仕事、断りなさいよ」と言うが、地区班長が苦労しているのでそうはいかない。
 ゴミ袋は重い。一件1Kgなので七件分を持つのがやっとだ。こちらは飛び飛びなので自転車で行く。籠に入れるのだが重いのでたまに自転車が倒れてしまう。
 五十五件程の割り当てだが、不在者が多くて思う様にははかどらない。一回配って、半分も済めば上等だ。三回は訪問する決まりだ。
 妻は「そんな大変なの止めなさいよ」と言う。割り振りする地区班長の苦労を思えば、断われっこない。付き合いは大事です。(続)

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