2018年7月4日水曜日

どうしよう! その九



 上越の話を続けよう。勿論既述だけどね。どうせ覚えちゃ居ねえってさあ♪ 未だそうは酔ってませんよ~。
 悪天候の中、谷川岳に登った。春なので雪の中だ。濃いガスだもんで、2mも視界は効かないのだ。雨風は容赦無く吹き付ける。小屋を必死に探した。勿論無人の冬季小屋だが、見つければ間違いなく命が助かる。
 文字通りの彷徨でした。無闇と歩き回るだけ。気持ちばかり焦っても駄目なものは駄目。何も見えない斜面を風に吹かれ雨に打たれてうろついて居たら胴震いが来た、危険信号だ。もうじき死にますよ、って言う恐ろしい信号だ。嬉しい、とても嬉しい。
 躊躇してられないんだ、そんな時は。斜面にザックを降ろしてテントを引っ張り出して頭から被った。手はかじかんで碌に動かないけどもが、其れが何さ、偉くヤバイ状況なんだからさぁ。
 テントを張るなんざ不可能だ。被るだけ。それでも雨風は防げる。そしてバーナーに火を点ける。文明の利器ですなあ、暖を取って、生き延びる事が出来た。結構厳しかったけど。生きて帰れて良かった、ってこってす。
 あの時は清水峠への縦走のつもりだったので、幕営具一式を背負って居たが、冬季小屋と避難小屋を当てにして、テントが無かったらどうなって居ただろう。ひょっとしたら、こんな愚ログは書いては居ない(書けない)筈だ。小屋を当てにするにしても、ツェルトだけは持参が原則だろう。少なくとも雪山に入る限りは。

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