2018年5月5日土曜日

山の報告です その六十三



 夏道を登っていると男性一人女性三人のパーティに抜かれた。日帰りか、ギリギリ避難小屋泊まりの装備だ。我々のザックを見て驚いていたが、二泊もするグータラ親父だとは気付かなかった様で、目出度い。
 五合目を越えても雪が無い。行くしかあるまいと覚悟して登ると、おお、突如雪景色に変わった。こうでなくっちゃさあ♪
 ほっとして登ると景色が開け、一寸と傾斜が緩む。思えばそこが六合目だったのだ。でもテントは張れない。更に登るがひたすら雪面の斜面だ。あそこを越えれば平地が有るか、と其処に着けば矢張り斜面なのだ。あそこはどうだと着くと斜面。多少増しな所が有った。Yにどうだと言うと良かろうと言う。
 二人で無言でザックを降ろし、ガンガン雪を蹴って踏み、平らにして行く。二人でやるのは効率が良い。二十分も掛けずにテントを張るに足るほぼ平らを造れた。
 テントを張り見回すと、疎林で見晴らしが良く、雪も綺麗な絶好の場所だった。最高なベースキャンプができた訳だ。
 テントに入ったのが十二時過ぎ。四時間の登りで到着したのだ。雪を融かし始めて乾杯! くー、うめー、と騒いでいる横をパーティが登って行く足音。何たるグータラ親父共。
 少々昼寝。目が覚めると真っ青な空。未だ登って来る。十五時過ぎなので小屋泊まりの諸君だろう。
 夕飯を済ませて早々に寝る。夜はグーンと冷える。明日も天気は間違いない。例に依って良く眠れないうちに朝となった。例に依ってYは熟睡で大鼾である。
 ローソクの明かりでコーヒーを飲んでいるうちに明るくなって来る。朝食を済ませて出発の準備をするが、雪は固く締まって凍っている。危ない所は無い筈なのであたしはアイゼンを置いて行く事にした。Yは確りアイゼンを着けている。
 さあ、朝日を浴びての出発です。

0 件のコメント: