2018年4月13日金曜日

閑話 その二百五十九



 先月二十三日、奥多摩で遭難騒ぎがあったのを覚えている方も多かろう。十三人のパーティが雪の降る中を登山して下山できなくなったというあれである。
 十人が中国人で三人が日本人だったが、国籍・民族に関係なく、如何にも現代的な遭難なので書いておこう。
 参加者はネットで募った急造パーティだったとの事。これが先ずヤバい。見ず知らずで経験力量も不明な十三人なのだ。今風ではあるけど、絶対に避けるべき事柄だと思う。
 案の定装備が劣悪、スニーカーの人間もいたとの事。雪の降る山には決して登ってはならない状況だ。登山靴に確りした雨具と防寒具、それに非常食が常識だが、多分揃ってはなかったと思われる。
 山はお天気商売、好天だったら楽しいハイキングで済んで、又会いましょうで終わる。残念乍ら雪が降っていたのだよ。
 現代風の何が悪いかその二には、リーダー不在がある。SNSで呼び掛けた人間がリーダーを務めるべきだが、本人にも集まった人間にもその気は無かった様だ。
 雪が降り続くので呼び掛け人は「これはヤバい」と感じたそうだが「皆が登って行くので一緒に行った」のだそうだ。
 これではパーティではない。単なる“烏合の衆“である。万が一悪天候にでも襲われれば、あっと言う間に遭難するパターンだ。そして悪天候だった訳だ。最初から雪なんだから取りやめれば良いものを。と思うのが普通のパーティで、この場合は烏合の衆だから決定者がいないのだ。
 SNSで集まり、リーダー不在で山に入り、多分危険になっても助けて貰える、と言う現代的感覚が有った事は否定できないだろう。現に全員(怪我人はいたが)助かったし。
 山も里も便利にはなったが、山は大自然だ。少し昔の感覚で惧れを持つべきかと思います。

0 件のコメント: