2017年12月21日木曜日

閑話番外 その百二




 二つ前の閑話番外九十九でSから譲られたテントの話をした。極めて変わった物なのでSに謂れを聞こう、で終わっている。
 閑話の通りにSとはハイクに行ったので、どんなテントなのかを尋ねてみた。
S「全然覚えてないんだよね」
 ああそうでしょうとも。聞くだけ野暮だった。洒落たテントだと思って買ったに決まっているのだ。勿論何処製だかも覚えてない。
S「でも山用だよ」
 うーん、そうなんだろうけど、どうにも解せない造りなのだよ。強風は想定してない様だし。でも、熱は逃がしたくない様な。
 日本製ではない様だが、其れは先刻ご承知だ。日本の山道具屋の発想ではない。まあ、ヨーロッパの何処かだろう。
 因みにあたしの見る最高のテント屋は、アライテントだ。ゴアなんざ使ってない。従って軽くて長持ちする。雨はフライで完全に防げる。日本の山向けって事だ。ゴアは使っても使わなくても、時間と共に劣化する。雨も漏る様になっちまう。その上ずっしり重いのだ。決してテントに向く材質では無い。
 とか言い乍ら又ゴアを持ってしまった。これが今世最後のテントになる事だろう。少々変わってはいるが、使い勝手は悪く無い。一寸と重いのが難点ではありますなあ。

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