2017年11月7日火曜日

休題 その百九十八




 二十年以上も御厄介になった会社を辞めたのは平成十八年七月だった。五十八歳の時だ。翌年四月十五日から、水道局の下請け会社で契約社員として働いた。
 催告と称する仕事で、料金未払いの家を訪ねて催告状とコンビニ払いの支払い用紙を投函する。在宅の時は手渡しだが、その場で集金できる事もある。
 原付で走り回る仕事なので、雨の日は嫌だった。紙を扱ってるもんで濡らしてはいけない。コピーしてマーキングした地図も濡らしてはいけない。
 冬の寒さも厳しいもんだった。帰って来て釣り銭を数える時には、硬貨が霜を被って真っ白になっているのだ。
 夏は風を切って走るので走行中は増しだが、メーターを探して読まなければならないので、ごそごそ地べたを探っていると耐え難い暑さであった。六十四歳の誕生日迄そこで働いた。
 郵便配達の諸君を見ると其の頃を思い、大変だろうなあと呟く。良い季節はあっという間に去ってしまう。殆どが寒いか暑いかなのだよ、これがさあ。
 郵便配達は若い人が中心らしいので平気なのだろうが、それでも厳しいには違いがないだろう。特に冬の雨の日は泣く思いの筈だ。雪の方が未だマシだが、降り積もると走行が危なくて、特に坂では冷や冷やする。
町田は坂が無闇と多いので、他人事乍ら気にはなっている。慣れきった走りをしているけれど、ご苦労様です。
 宅急便にしろ郵便にしろ、現場の人達は大変なのだ。クロネコヤマトがアマゾンに注文を付けたのは極めて当然の事だ。さもなきゃ配達現場の人を確保不能になるだろう。
 世の中は確実に変化している。前迄は買い手市場だったが、今や外にも求人はある時代なのだ。野党は認めようとはしないが、景気は回復しているとこれだけでも分かるのだ。

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