2017年10月7日土曜日

秋はシャム猫の様に その六




 前記の通り、黄(紅)葉は水に良く似合う。川沿いに下るので、水と紅葉はたっぷしと楽しめる。時々小さなダムが有るので、水面にその色が映るのだ。一服点け乍ら眺める。結構な贅沢を楽しめる訳です。
 夕方の雰囲気は充満していた。現に夕刻が迫ってもいたのだろう。多分(思い出せないけれど)何処かに登った帰りだったので。惚けですなあ。(溜め息)
 未だ未だ玄倉のバス停迄は先は有る。一寸と焦りはするが、最終バスはずっと先だ。焦りつつもノンビリとする。これこそが秋の風物詩なのだ。え、意味不明だって? まあ良いやね。分かる人は分かるって。
 一番のお奨めは秋の三ッ峰だろう。塔でも丹沢山でも宜しい、小屋に泊まっておくのだ。フッフッフ、贅沢な山行である。歳なりに無理無く、が一番なのだ。楽で安全で夜景迄楽しめて、一杯やれる。こうでなくっちゃさ。
 日帰りも可能ではあるが、何を急いで走り抜けるのかね、あんな素敵な所を。朝に小屋を発って、ゆっくりと行くべきだろう。それに無理をすると翌日以降、凄い筋肉痛に悩まされるし。
 三ッ峰の展望は例に依って今一だけど、秋をたっぷりと味わえるコースなのだ。但し、昼前には里に降りてしまうので、独特の夕暮れ迫る侘しさは、残念な事に味わえない。
 普段は巻いてしまう高畑山に立ち寄って見よう。標高は低いのに唐松林が有るのだ。一斉に色付いている事だろう。晩秋ならばサラサラと落葉しているかも知れない。
 思い立ったら何処でも良いから出掛けよう。天気さえ良ければ、山もきっと良いのだ。日帰りでも泊まりでも、どっちでも良い決して外れが無い確率が高い。山勘ですよ。
 そのような力が、秋には有ると思えるのだ。そして其の秋も深まると、吹く風が一層冷たくなり、空は更に高く、近くに冬の足音が聞こえて来るのです。
 (此の章終わり)

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