2017年10月27日金曜日

山の報告です その六十




 写真は遥か遠くの富士山です。
 河童橋は登山者観光客が入り混じって大賑わいだ。“上高地ソフトクリーム”の幟が有って、何人も其れを食べている。高いばかりだとは分かっているが、自分に負けて食べた。
 妻と旅行に行く時、小田原を通ると必ず駅ビル内の伊藤園直営店のソフトクリームを食べる。息も帰りもである。二百六十円で量もたっぷりで美味しい。上高地は四百円で量もずっと少ない。でも、堪らなく欲しくなっちゃったので仕方ないですなあ。
 小梨平のキャンプ場は何度も通過したが、幕営は初めてだ。風呂も六百円で入れると言うので、テントを張ってからいそいそと出かけた。温泉じゃないのが残念だが、山から下っての入浴、悪い筈は無い。
 風呂上りにはすっかり里心がついて、食堂で一杯やってる諸君が羨ましい。前にも書いたと思うが、山から降りて来ると登山用食料は見たくもなくなる。極普通の食物を欲するのだ。其れも猛烈にだ。
 此処で負けてはいけない。ぐっと堪えて里心を押し殺し、テントへ戻るのです。一寸と哀れではあります。
 あたしのテントのお隣さんは一人用の小さい奴。お向いさんはツェルトにストックをポール代わりにして立てて暮している。同年代と見える男性が住民だ。
私「ツェルトだと軽くて良いですね」
男性「でも狭くてねえ」
 狭いだろうが、軽いに越した事は無い。お隣は南米からと見える若い女性が外に出て上着を着ていた。一人用テントは背が低いので、表で立って着込みたかったのだろう。
 どんどんと登山者がバスターミナルへ向かって行く。未だ東京へは充分帰れる時間なのだ。あたしも真っ直ぐにバスに乗れば、十九時頃には帰宅出来ていた筈だ。でも、折角テントを担いで上高地に下って来たのに、慌てて帰ると言う発想は無いのだ。続きます。

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