2017年10月10日火曜日

山の報告です その五十五




 此の夏から秋へ掛けては天気が悪い日が続き、散々な有様だった。やっと落ち着いて来たのを見図らって西穂へ行って来た。
 西穂へは三十代の終わり頃に、夏に一度冬に一度登っている。五十台になって冬に出掛けたが、ガスが濃くて独標の下りが全く分からず、数人下って行ったが絶壁を下って行く様に見えて、登頂を断念した事がある。
 それがトラウマとなって(オーバー?)、果たして西穂へいけるのか、と細やかな不安を抱きつつ、先月二十四日新宿のバスタ七時五分発の高山行きに乗り込んだ。
 平湯で乗り換えだが、接続する筈のバスは行ってしまった。日曜だから時間を喰うのは仕方ない。ターミナルの食堂がやけに高いのは仕方なくない。
 ザックから行動食を出し、売店でお握りを買って昼飯にする。本当は蕎麦の一杯も食べたい処だが、どりゃあ高くてかんわ。
 一時間ちょい待って又バス。終点でロープウエイに乗り換え。其のロープウエイも乗り換えて、歩き始めたのが十四時、七時間の旅だった訳だ。ふー、遠い。
 次から次へと登山者と擦れ違う。西穂帰りの諸君だろう。幕営具一式を背負っているので、兎に角ゆっくり行く事を心掛ける。幸い天気は完全に回復基調だ。
 西穂小屋に着いた。狭い幕場には十位のテントが張ってある。一つは大きい。七、八人用だろうか。
 チェックインで驚いた。幕営料が千円なのだ。五百円でねえだか、普通はよお。水を買うのだが驚いた。1リットル二百円なのだ。百円でねえだか、普通はよお。
 書いていて情けない。あれが高い、此れが高いと嘆いてばかりいる。すっかり貧乏性になっちまっただよお。
 正確に言えば、すっかり貧乏になっちまったなのだ。まあ仕方無い事だ。続きます。

0 件のコメント: