2017年8月24日木曜日

閑話 その二百三十八




 ふと目覚めると二十時一寸と過ぎ。Yも丁度起きて何か食べようとしている。では、夜の宴会の始まり始まり。パチパチパチ
 先ずは小用の為表に出る。パンツと網シャツ姿で雨に当たってたら震えが来た。テントに入ると暖かい、優れものである。
 雨音を背景にひとしきり飲む。結構な贅沢なのですぞ。一度やったら止められないって。雨音は無くても良いが、有った方がより良い。山の中だなあ、って感が深まるのだ。
 お開きとなると、Yはあっと言う間に寝付く。こっちは中々寝付けない。Yは登山者として最高の資質を持ってるのだ。ただ、汗を異様にかくのが欠点ではあるけど。
 朝六時過ぎにほぼ同時に目覚めた。幸い雨は上がっている。うん、思いの外に行いが良い二人なのだろう。え、違うって?
 ゆっくりしてからテントを畳み出発。もう早い登山者が登って来る。若者ばかりだ。こっちは大倉へ下るだけだが気楽だ。とは言え、昨日の筋肉酷使の影響で、Yの下る足がおぼつかない。テント場へ下るのに横歩きになったのだから無理からぬ処であろう。
 大倉に着いたらバスが待っていて、飛び乗る。渋沢に着くと直ぐに電車が来た。ノータイム運動ですなあ。
 里湯でさっぱりとしたのは言うだけヤボだろう。Yは下着から靴下迄、全て着替えてすっかり綺麗な姿になった。あたしはドブ泥姿だが、町田は近いので構わない。Yは新宿を通って品川へ帰るのだから、汚い侭ではまずい事此の上無しなのだ。
 里湯から駅へ向かっていると「もう筋肉痛が出始めた」なぞと言う。温泉に入ったので身体が山の終了を察知したのだ。驚く程身体は状況を認識している。ヤバイ所では絶対につったりしない。安全になるとつるのだ。
 小さな小さな一ノ沢登りは、かくして今年も無事に終了したのでした。

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