2017年8月12日土曜日

閑話 その二百三十五




 此の前の閑話で風が無くて蒸されてえらい目に会った話を書いた。ほぼ同条件で幕営具を担いで一ノ沢を登ったのだ。同行者は例に依って哀れにもYで有る。
 因みに写真は無関係なものなので、御容赦。
 毎年一ノ沢にはYと登っている。去年は嫌な滝に阻まれて斜面に取り付き、苦労して尾根に出たが、駒止小屋の大分下だったので、階段でバテちまった。其の轍だけは踏むまいと、大いに注意はしたのだ。
 七月二九日、満員のバスで大倉、出発の準備をしているとやけに空いた臨時バスがやって来た。何だよ、臨時が直ぐ出るって言ってくれればそれに乗ったのにさあ、と二人で悪態をつくが、後の祭りとは此の事。
 二股方面に歩いていると数パーティに抜かされる。皆さん若い。こっちは幕営装備だから抜かれまくりさ、へん。
 尾根の突端を這い登り林道に出てから沢へ入る。前回からの合理的方法だ。沢に入って本流を行く。水は冷たくて宜しいのだが、風が無い。
 一ヶ所、小さな滝なのだが空身でなければ登れず、あたしが登ってサブザイルでYを引き上げた。本当に小さい滝なんだけどね。
 さて、見覚えのある地点に来た。本流を行くと幾つも小滝を越えて、やがて嫌な滝となるのだ。左右は切り立ち、滝を幾つか戻って左岸に取り付くしか無く、すると駒止の下に出て階段を嫌と言う程登らされる。
 では、と右岸の斜面に取り付いた。一頑張りで植林帯に出れる、楽勝だぜ♪ 甘かった、植林には入ったけど傾斜は殆ど緩まない。おいおい、こんな所で仕事をしてんのけえ?多分ロープを張って仕事をするのだろう。
 其の植林も終わって又急なザラザラ登りになっちまった。多分左の植林に道が有ったのだろう。今更戻る気なんざ更々有りませんね。
 気の抜けない登りが続き、詰まり半狂乱に頑張り続ける事になったですよ。続きます。

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