2017年7月9日日曜日

悪い事ばかりではなかった その二







 夏の山が王道だと思う心は、多分にノスタルジーに影響されてたって訳だったです。でも冬山や春山から始めたって人は、居たとしても極めて珍しい存在で、殆どの人は夏山から始めてるだろう。あくまで私の想像だけれど、多分外れては無い筈だ。
 従って“登山の王道は夏山”なのだ。其れはお前の思い込みだって? 確かにそうなんだけど、当たらずと言えども遠からずって事で、是非とも納得して頂きたい処ですよ。
 せっせと蛭ヶ岳へ向かって居た。二昔も前の話。丹沢山を超えると一面の熊笹が光り輝いて居る。前後を歩く人は居ない。真夏なもんで至極当然の事だ。
 そこいらは丹沢でも一番標高が高い稜線である。涼しいですよ、特に木陰は。山々は濃い緑に覆われている。夏山万歳ってなもんなのだ。此の醍醐味は何とも言えない。
 蛭の小屋に着けば、内部はひんやりと涼しい。悪天候の時には何と、ストーブを炊くのだから、クーラーは絶対に不要な世界だ。朝晩はセーターを着込まざるを得ない。どうです、良い話でしょうが。熱帯夜なんざ薬にしたくとも無い!
 寝る時は、厚い布団で丁度良い。毛布一枚じゃあ寒くて眠れないんだな、此れがさ。ふっふっふ、東京とは何と言う違いだろうか。
 鍋割あたり、詰まり標高1200m位迄はそんな贅沢が味わえるのだ。其処迄登る苦労は置いとく事にしてだけどね。まあ、其の苦労が過酷なので丹沢の夏は不人気なんだが。
 加入道の避難小屋近辺では何度も幕営をした。ん、其れは違反行為だったか。此処は一つ内緒に願います(ペコリ)。
 朋友のKj、Em、Ynと避難小屋横にテントを張って泊まった事が有った。An夫婦は山には来ない。既述だが、二人共に太り気味、いや、立派に太ってると言うべきだろう。山なんざ飛んでもごぜいやせん、と言うのも良く分かる。
 此の時は皆さん毛布で寝たのだろう。何せ遥か昔の事なので、記憶が朧(おぼろ)だ。結構寒い思いをさせた様だ。後からEmに「あの時は寒かったわよ」と言われたので。さぞや寒かったのだろう。済みません。
 もしも皆さんが熱帯夜で呻いて居るとしたら、偉く羨ましい話でしょうが。丹沢と言えどもかくの如しでありますなあ。

0 件のコメント: