2017年7月26日水曜日

休題 その百九十三




 “振ると便喰らえ” 失礼!フルト・べングラー。伝説の名指揮者だとは、あたしでさえ聞き知って居る。略称はフルベンだとも。
尤も、ド素人のあたしはそんな呼び方をする資格は全く無い。クラシックフアンにタコ殴りにされるだろう。でも、此処では字数節減の為にフルベンと呼ばして貰う。絶海の孤島なので、多分大丈夫だろう(汗)。
 我が家に在る第九はカラヤン指揮のCDだ。年末に何年か妻と聞きに行った第九も、大体其のイメージに則って居た。あ、素人のあたしが言うのはベートーベンの第九ですよ(恥)。
 去年の大晦日に車を走らせて居た。何処かで第九をやってる筈だとFMを回したら、丁度第四楽章の、それも終わりそうな処にヒットした。
 イメージが全く違う第九だった。そうねえ、曲が飛び跳ねて居るのだ。思いっ切り軽やかに(?)スキップしてる様な感じかな。
 少なくとも重々しさは微塵も無い。合唱が終わって最後の演奏になった。聞き様に依っては丸でジンタ(サーカスの曲)の乗りで有る。ドンガジャッカドンドンって勢いなのだ。
 え、こりゃあ何だ? こんな第九が有ったのけえ? 何処の誰がやってんだよお!
 其れがフルベンの指揮だったのだ。解説者が何か語って居たが耳には入らなかった。茫然として居たもんだで。
 そうか、此れが伝説の指揮者なんだ。全く演奏が違う。こういう第九を演奏するんだなあ。全く外とは解釈が違うんだ。
 木の下サーカス団の演奏でした、と言われれば、きっとそうかと思っただろう。其れにしては凄いんじゃないか、とは思ったのは間違い無いけれど、疑わなかっただろう。
 フルベンと聞いてこりゃあ凄いと思ったので、現に凄いインパクトは有ったのだけど、あたしゃあ分からない奴なんだと分かったのですよ。聞けてラッキーだったって話でした。

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