2017年4月18日火曜日

閑話 その二百二十五




 雪歩きが下手になって、おっとっとと下って、たまに転んでいるうちに馬の背の分岐に着いた。鍋割方面にもトレースが有る。好き者が結構存在する訳だ。決して人の事は言えないんだけどね。
 ポツポツ登って来る人と退避場で行き違い、半分雪で埋まった大階段も滑らない様気を付けて下り、岩っぽい下りになると雪がぐっと減る。そうなると又面倒なのだ。
 石の上に雪が乗って居る状態、そう、大山で転んだ時と同条件になるのだ。雪歩きの下手になっちまったあたしとしては、慎重に下るの一手。さっさと下るなんて芸当は不可能至極に成り果てたですなあ。
 加齢に加えて手術のお蔭で、すっかりノソノソした爺さんになっちまっただよお。ま、仕方無いか。登れただけ良いと考えよう。
 堀山を越えればもう雪とはおさらばだ。雪が降ったぞー♪ とやって来たのに、雪と別れてホッとするとは矛盾ですなあ。でも、行くぞー、と山へ出掛けて下山するとホッとするのは、極自然な感情なのですぞ。
 あとはダラダラ下り飽きるのみ。バカ尾根は、お蔭様で充分下り飽きさせてくれる。とても嬉しい。
 O屋が無い大倉に用は無い。来たバスに乗って渋沢へ向かうのみ。処で五時間三十分掛かっていた。思いの外に時間を喰っている。サボっていたのではない証拠に、充分疲れている。雪が効いたなあ。
 くどいだろうけど、前はスースー下れたんだよ。傾斜が有っても靴で滑って行った。そんな真似は全然出来なくなった。
 こうなっちまった限りは、出来る事をやるしかない。で、鶴巻温泉で途中下車して里湯で入浴である。うん、これなら出来る。
 以上が雪の塔ヶ岳の顛末だが、その四日後に再び塔に登るのだ。其の日が四月一日で、おまけの写真の日だったのだ。続きます。

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