2017年3月2日木曜日

閑話 その二百二十一




 下るにつれて雪が少なくなるのは良いのだが、段々岩っぽくなって来るので、雪が乗った岩道ってえ最低な条件になるのが辛い。
 登るには何の問題も無い。下るに問題が有る。ツルッと滑るのだ。増してや偽靴、造作なく滑ってくれるの。
 と、滑った。左前に体は振られる。左足で必死に支えたが、堪えきれなかった。スローモーションの様に前倒れとなる。右前のカメラが岩にガツンと当たって、あたしもズデンと転がった。カメラが、ガッシャーンでなくて本当に良かった。
 クソッ、やっちまったぜ。雪の上だから汚れないのが幸いだった。とは言え、見事に転ぶのは情けない事この上ない。へっへっへ、人が居ない所で良かったぜ。
 最後に急な石段を下って下社である。慎重に下ったですよ。そんなとこで転んだら、カメラの心配どこでは無い。
 12Kgのリュックを担いでケーブルカーに乗り込む。バスの時刻を見て置いたのが、下の駅に着いてから九分しか時間が無い。空身なら余裕なのだが、荷が有るだで。
 精一杯急ぐ。下りなのが救いである。左右の店を覗く余裕も無く、唯急ぐ。思えばバカだ。一本遅らせたって大勢に影響は有るまいにさあ。二十分待てば次のバスが有るのだから、何を焦ってるんだかね。
 兎も角予定通りのバスに乗り、途中でどんどん混み乍ら伊勢原へ。一つ駅を戻って鶴巻温泉下車、里湯で一風呂浴びたのだ。
 町田に着いたら雪。天気予報は正確だった訳だ。
 二転三転した大山だった。最初の快晴が見事過ぎた為のバカ騒ぎ。あの快晴の侭だったら、素晴らしい雪山になっていただろう。予報通りにちゃんと曇ってくれた。
 同じく騙された多くの人達も、ご苦労様でした!

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