2016年11月8日火曜日

閑話 その二百四




 十月の末に塔へ行けた。Y、Aと三人だった。本当はToも加わって四人の予定だったが、Toの血圧が上昇して不参加となった。
 何せ手術以来初めて、一年十ヶ月振りの塔なので、一番固い方法を考えた。ま、一番楽なって言った方が正直で良かろう。
 戸沢出会い迄タクシーで入り、政次郎尾根を登って塔へ、そし下りは馬鹿尾根。うん、これが良い。これなら何とかやれるだろう。(と思うんだけど)
 戸沢出会いへは神奈中のタクシーしか行ってくれない。処が秦野タクシーしか無い。駄目元で聞いて見ると。
「雨が降ったから無理だな。神奈中は秦野に居て此処には来ない」
 え、前は渋沢にも神奈中が並んでだじゃないか。此れは困った。運転手は外のタクシーにも聞いてくれたが、皆「ダメダメ」で有る。
「滝沢園入口迄なら行けるけど」
 大倉から二十分弱の所だ。それでも多少は増しなので、其処までとの事で三人して乗り込んだ。下車するとタクシーは去って行く。
 天気は曇りと言うよりガス。林道を歩くが非常に状態が良い。何台か車が抜いて行く。
え、あんなに車高の低い車が行くじゃんかさあ、秦野タクシーは何言ってんだ、と皆でぶつぶつ良い乍ら一時間の林道歩きだ。確かに整備がされて、何の問題も無い林道なのだ。
 戸沢出会いには十台位の車が停まって居る。皆さん山に入ったのだろう。我々も政次郎尾根に踏み込む。歩き易い路をゆっくり登る。此処で焦ったら塔には着けないのだ。
 思いの外に稜線は遠かった。手術前はとっとと登れたんだけどねえ。尤も此の位の速さが、YとAにも丁度良さそうだ。
 表尾根に出ると、幾つも若いパーティがやって来る。ガスの中の木々は色付き始めて居る。まずまず順調だろう。後一時間少々で塔に着くのだ。(続)

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