2016年11月14日月曜日

閑話 その二百六




 大階段を下ってガラガラを下り、吉沢平を過ぎて又もや階段を下って行く。Aの足元が一寸とおぼつかなくなって来たと思ったら、滑って転んだ。階段の丸太で滑ったのだ。ん、確かに、少なくともAの足は下り飽きて来た様だな。
A「下りは得意な筈だったんだけど」
Y「私だって十年まえはどんどん下れたよ」
 そうなの。一年一年確実に衰えて行くものだ。それにAは馬鹿尾根下りは三年振り、思ってる自分と現実の自分は違うのだ。
 小草平で休憩。小屋は内部改装中だ。大工が二人で直して居る。此処まで登って貰うのだから、別料金が発生するだろうと、しなくても良い心配をしたりする。
 堀山を越えて下りに掛かるとAは又転んだ。急な下りがいけないらしい。誰でもそう有る。馬鹿尾根の良い処は、転んでも危険は(殆どの場合)無い事だ。此れが檜洞丸りだったら、下手すると事故になるのだ。
 あたしはお蔭様でどうにかもって居る。唯、足に相当の負担を感じる。此れは想定内有るが、矢張りそうなんだ、って感じだ。
 振り返るとAは階段を一段ずつ足を降ろして居る。詰まり、膝が笑う前兆なのだ。と、又滑って転んだ。もうじき大倉なのだが、三叉路で臨時休憩を取る。其処からは緩いだ。
A「こういう路なら良いんだけど」
 傾斜が緩んだので筋肉の負担が減ったのだ。今度はYが遅れだした。時々二人で止ま待つ。で、大倉に無事到着。万歳!
 黒門も閉まって居た。親父が趣味でやってた様な店だったが、閉まって仕舞うとD屋しか無い。仕方無くD屋のビールで乾杯。O屋が懐かしいだよォ。
 かくして塔に立った。処が其れから五日半、脹脛の筋肉痛でよろよになった。何故脹脛んだ?何故こんなに長く痛むんだ?兎に角無事に塔には行けたのだ、良しとしよう。

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