2016年11月24日木曜日

閑話 その二百七




 塔にはA、Yと一緒に立てたのは前回の閑話の通りだが、楽なコースだったので何だか今一つ納得出来ない。それと、無闇と筋肉痛が残った事も、至極当然の事なんだけど、ショックだった訳だ。
 で、一週間後に又一人で出かけた。コースは馬鹿尾根ピストン。此れをやらなければ塔に立ったとは言えない気分だったのでね。
 前回と違って晴れた日だった。五時四十分頃の電車で出発する。大倉行のバスは二本目位だろうか、満員で十数人を積み残して発車した。流石に土曜日で有る。
 馬鹿尾根登りなので慎重に、意識してゆっくり行く。若者達がどんどん抜いて行く。たまに出会う中高年のパーティにも抜かれる。良いのさ、兎に角登って降りる、が目的だ。
 十五人のパーティに追い付いた。中高年で若者がラストに居る。
若者「人数が多いので先にどうぞ」
 抜いて行くと先頭で周りの景色の説明をして居る。登山ツアーだろう。関西弁が交わされて居る。聞くと、大阪からのツアーだそうだ。遠くから丹沢へようこそ。
 大階段に取り付いた。唯々登るのみ。登ってれば着くのだ、と言い聞かせて登る。ハーハー言って花立小屋に着く。流石に寒いが、アンパンなぞを食していると、大阪パーティも登って来た。隣で休んで居た中年男性が声を掛けて来た。
男性「どちらへ行きますか」
私「塔のピストンですよ」
男性「私も同じです。でも、速いですね」
私「え」
 堀山を越えてからは、そうは無闇と抜かれなくなったが、決して速くはない。いや、絶対に速くなんてない。何の間違いだろうか。
 花立頂上へはこんなに登ったのか、と情けない感慨を抱きつつ、花立に着く。鍋割方面の黄葉が見事だ。続きます。

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