2016年11月11日金曜日

閑話 その二百五




 ガスの黄葉も良いものだと思ってると、霧雨になって来た。雨具を着ける程の事は無い。木の又で休もうと思ったが、ベンチは若者で一杯で有る。少し進んで休憩とする。
 此処迄来れば塔に着いたも同様だ。ゆっくりと歩き出す。若者が抜いて行く。YとAのスピードは大分落ちて来た。塔の最後の登りに掛かったのだから当然で有ろう。
 思いがけなく早く頂上の一角に着いた。天気が天気なので、割と人は少ない。景色なんぞは夢のうち、真っ白いだけだ。
 併し、塔に着けました。歩けて本当に良かった。
 Aは三年前に表尾根をやったとの事。一人で良くぞ頑張ったものだ。では、下りが長いのも承知してるだろう。
私「さて、下り飽きを始めよう」
 下り始めると、続々と登って来る。大部分は若者だ。土曜だっただからだろう。平日は中高年が大多数なのだ。若者は活気が有って宜しい。本来山は若者の世界なんじゃないの?
 それでも中高年も交じっては居る。結構お年の方も頑張って登って来る。下る我々はお気楽だが、登る苦労は大変なもんだろう。
 擦れ違い渋滞が何ヶ所有ったが、花立を越えて、小屋前迄降りて来た。下界が見渡せた。こっちは未だ小雨が降っているのに。Aは薄いゴアのウインドブレーカーを着込んで居る。私とYは其の侭濡れて居る。大した降りでも無いので。
 此処からが例の大階段だ。登るには骨だが下る身の有り難さよ、とっとと下って行く。
私「これからが下り飽きコースだ」
A「もう下り飽きた」
 え、其れは早過ぎやしねえだか? 確かに塔を下り花立を下り、大階段を三割程下ったけど、飽きるのはこれからでしょうが。
 そしてそうなったのは予想通りって事で、続きます。

0 件のコメント: