2016年9月5日月曜日

閑話 その二百二




 朝になったら晴れである。限られた視界だが、蛭ヶ岳も見える。蛭から大室山が見えるのだから当たり前か。写真は犬越路である。
 撤収して下りに掛かるが、夜中の雨をたっぷり含んだ土は滑り易い事此の上無い。大体からして稜線から神ノ川ヒュッテへの分岐迄は、踏み跡程度の路なのだ。分岐から先へ下って行く道は確りして居る。
 詰まり、鐘撞山方面から登って来て、ヒュッテへ下って仕舞うのが本道なのだ。変な話だが、其のコースがトレイルランのコースだからだろう。
 登りの労力は下りの其れに千倍する、って言葉が有るが、正しいと思う。え、もう此処迄下ったの、って感じで下れるのだから。
 Yの足運びは徐々にぢごちなくなって行くが、幸いな事に膝は笑わないと言う。きっと梅酢の成果であろう。二年前は、そりゃあ悲惨だったのだからね。
 Yは二本ストックで下る名人と言っても差支えなかろう。四期のライオンキングのキリンの様に、器用にストックを使う。下りにストックは邪魔だと言う人も居るが、間違だ。足元の悪い下りこそ、ストックが物を言う。
 植林帯に入ってからが長いのが此のルートの売り(?)だ。あー、と悲しげな声と共にダダッと物音。お、此れはYが転んだな。
 転んでも特に危険は無い所だ。ただ、Yの右半身は泥塗れになっちまった。なにせ、たっぷり濡れた土なんでね。他愛も無い事故(?)で済んで何よりであろう。
 そう暑くは無いのにつって、変な所で幕営になったが、湿度の所為だと思われる。町田に帰る途中に、大室山は夏場は避けよう、と意見の一致を見た。
 次は秋か冬、蒸さない季節にリベンジって事で、お粗末な話を終えましょう。

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