2016年5月28日土曜日

閑話 その百九十二




 取り敢えずの滑落の危機は脱した。だが油断ならぬ斜面は続く。救いは土が厚い事だ。これが岩に薄っすらと土が乗っているのなら、命懸けの四駆って騒ぎになる。
 土が厚いのでが蹴込み良く効く。当然登山靴が有利なのだ。手術前なら地下足袋で上手く登ったもんだが、今はとてもじゃ無いがそんな真似は出来ない。あれも結構体力を必要としたのだなあと分かる。
 従って、土に足を置きじわっと土を包み込む様にして登る。だって蹴込んだって、地下足袋だから、全然入らないのだ。
 手術前は内側を喰い込ませてガッツガッツ行った。今はそんな力は無い。ズリーズリーとノロノロしてるだけなの(涙)。
 傾斜が厳しくなると、Yが蹴込んだ跡を踏んで登るのだ。うん、これは楽だった。ずーっとそうすれば合理的だったんだなあ。でも、トップはあたしって習慣なんで、思い付きもしなかった。これからはそうしようっと。見栄も外聞も有るもんけえよ♪
 やがて植林帯に入った。もう危険は去ったのだが、傾斜と歩きにくさは残るのだ。若くは無いのですなあ。五年位前なら二人共どんどん行けたのにさあ。
 流石のYも蹴込みを続ければ参るのだろう、遅れる様になって来た。こっちは傾斜が緩むにつれ歩が進む。やがて尾根に出た。そこで懐かしい台詞を吐く。
私「夢泣くな」
 後で聞いたら、それを聞いて気が緩み、最後の登りを何度も滑って偉い苦労をしたそうだ。人間は気を緩めちゃ駄目ってこってす。
 我が目を疑った。20m程先に白い看板が有り、其の前を登山者が横切った。え、馬鹿尾根寸前に登り着いたのだ。やったぜ!
 続きます。

2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

Hajime Maste, Watashi siti desu
Yoroshiku onegai simasta
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kenzaburou さんのコメント...

sitiさん、こちらこそ宜しくお願いします。