2015年10月25日日曜日

暑さの夏は避けるが常道 その六




 分かり易い例を挙げる。世界各地の砂漠をがっちりした車で走破するレースが有るとしよう。ランクルが強いかな、いや、パジェロかな? こら、勝つ車なんて何でも良い!
 問題なのは、砂漠では無くてなだらかな草原を、其れも舗装道路を走るレースが同列に扱われて、下手するとプリウスなんかが優勝だと言われる事だ。
 あのー、砂漠で強い車のレースだったのでは? 其の通りだ、それをゴッチャにしてはいけない!統計とは、編集次第で何とでもなるって事なのだ。
 えーと、話が偉くずれたので、夏の沢に戻りましょう。
 沢なら良い。特にシャワークライムには、持って来いの季節だ。幾ら水を被っても、心地良いだけだ。滝を登り乍らどんどん水を浴びようじゃないか! 此れは皆さんお気に召す筈だ。
 尤も水の流れが有るうちは良い。天国だ。水が消えると、後は暑さの涸沢歩きとガレ歩きと藪こぎが待って居る。結果として手も泥と傷だらけになるが、今迄と違って洗う水は無い。俗に言う地獄だ。
 処が、そうなると状況が結構きついので、暑さを感じて居る暇が無いのが、救いと言って良いのか悪いのか、微妙なのだ。物事とは、面白いもので有りますなあ。地獄が地獄で無くなる。あんまり嬉しくは無いけど。
 真夏に檜洞丸から、犬越路へ歩いた事が有った。気の毒にもYも一緒だった。こうなりゃあいっそ、良い気味にもYも一緒だった、と書く方が分かり易くない、ね、どう?
 前日は彦右エ門谷を詰めて、頂上直下の青ヶ岳山荘に泊まった。其の日は無人小屋だったので、宿泊費として一人五百円ずつ缶に入れた。偉いでしょう?当たり前だって?はい、失礼しましたです。
 前日は、一応沢を詰めたので、前記の理論(?)に従って、暑いという印象は無かった。とても目出度い。
 (暑さの夏は避けるが常道 その七へ続く)

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