2014年12月6日土曜日

閑話 その百三十四




 空身になったら、流石に抜かれっぱなしでは無くなった。若者と前後し乍ら行く。下って来る人も無闇と多い。擦れ違い渋滞もしょっちゅうなのだ。
 大階段はひたすら登るのみ。脇に避けて、佇んだり座り込んだりして居る人やパーティも多い。入山者の絶対数が多いのだから、当然の事だ。
 天気がすかっとして居たのは此処迄だった。花立からは少々霞んで仕舞った。其れは自然現象なので致し方ない。
 頂上も芋を洗う騒ぎ、腰を降ろす場所とて無い。Yと二人でウロウロして、即下山に掛かる。此れ又登って来る人との待ち合わせ渋滞の連続となる。若い教師に率いられた中学生達が来る。クラブ仲間と思われる諸君が来る。山ガールも来る。
 下る諸君は自然と長い列になる。我々は否応なく其の中に入る訳だ。処が年齢が若いもんだで、スピードも速い。一生懸命付いて行くが、落伍して行く人も結構居る。
私「良い速度だな」
Y「若いから、早い事早い事」
 それでも何とか堀山に着けた。我々は何気なく登山道を外れ、ザックをデポした場所へ下る。そして地面の枝を除き(此れを怠ると痛い思いをするのだ)、天幕を張る。
 今夜の宿兼宴会会場が出来上がったのだ。えれー目出度い!!
 火器の準備が成ったら、取り敢えず勘酎ハイで乾杯。ぷー、うめー、と二人して叫ぶ。塔へピストンしたからの美味さだ。ま、そうで無くてもテントの酒は美味いんだけどね。
 Yがジャックダニエルを持って来た。大喜びでご相伴に預かる。良い酒はY任せだ。現役と予備役の差なので、仕方ない。Yよ、何時も御馳走様です。
 飲んだり食ったり、ワーワー話乍らの一次会が始まった訳で有る。続きます。

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