2020年11月26日木曜日

閑話 その三百二十九

 


 前回Yと山に行ったのは一件屋避難小屋を目指し乍らも、十人からの大沢登りパーティを見て避難小屋に泊まると決めつけて、歩き始めて三十分にして幕営したので、山に行ったとは勘定できない。依って今回の大室山は、Yにとっては一年半振りの山行だったのだ。

 三連休の最終日の二十三日、自粛なんざ知らねえよってな塩梅で町田で合流、車で神ノ川へと入る。と、通行止め、歩行すら禁止になっている。柵は歩行者も遮断する為か、横に大きく張り出している。突破はできるが、そこ迄の気も無い。

 丁度鐘撞き山の登り口だ。撞き山に登って稜線伝いに何時もの三叉路へ行き、其処で幕営としよう、大室山へは遠すぎる。

 カメラは持って行ったが、そんな塩梅なので撮るものも大して無く、唐松の黄葉なぞもあったがその時は写真処ではなかったので、アップした写真は無関係なものです。

 鐘撞き山の登りは植林帯のダラダラが続く。こんなんで良いのけえ、と思っていると直登になって、ひょっこり頂上に着く。行手に稜線が立ちはだかり、Yは「屏風じゃないか」なぞとのたもう。予感があったのかな?

 登り始めはまあ良い。緩みがあってからの登りに、長くはない区間だがザラザラな急登があって、根っ子や岩角を頼りに登り乍ら、ここを下るのは嫌だなと思っていた。

 其処を越えれば唯登るのみ。どうしてもYは遅れる。あたしは振り返って待つ。従って汗一つかかない。Yも頑張ってるのだが、一年半のブランクは大きいってこってす。

 それでも十三時には三叉路に着いた。丁度四時間かかった。早速テントを張る。前穂の時のツェルトと何と違うんだ! 丸で豪邸である。アライの三、四人用は最高ですぞ。

 テント内を整理したら先ずは乾杯、まあ、書く迄もない決まり事なんだけどね。この為に登って来た、とも言えるんだから。(続)

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