2019年7月21日日曜日

柄でも無い事 その七十五



 又もや“柄通りの話”になるので、先に謝っておきます。
 耳にタコだろうがあたしの山の恰好、濃紺の作業ズボンに地下足袋、カッターシャツを来ていれば増しな方で、夏ならTシャツって事になる。あ、夏なら短パンも多い。
 作業ズボンなぞはベルトループ(ベルトを通す布の輪っか。かえって分かり難くなっちまったぜ)はザックに擦られて薄くなり、針で叩いて補強してある。裾は藪に引っ掛かれて10cmほど裂けている。
 ブルーの帽子は被ったり被らなかったり、気分と日差し次第である。雨具が必要と思われる時は帽子を被る。カッパのフードが、帽子がないと視界を遮るからだ。
 周りは皆(98%位だろう)綺麗で機能的な恰好をしている。万均の例で説明した最新装備だ。悪くても、此処十年以内のスタイルである。従って洒落ている。老若男女を問わず、にである。
 去年の夏塔に登っていると、鉄人と擦れ違った。鉄人とは、塔ノ嶽登頂三千回越えのボッカの神様である。
鉄人「山仕事かい?」
私「いや、登山」
 作業ズボンに地下足袋なら、そう思うに決まってる。あたしも六十才位迄は、山仕事も良いかなあなぞと思ったものだが、今となっては飛んでもごぜえやせん、絶対出来っこ無いって自信が有ります、エッヘン!
 くどくど何度も己の作業員姿を述べるのは、こちとら金を掛けずにやってるんだぜ、と突っ張る気持ちが現れてるのだろう。金は掛けられないが、掛けない事なら出来るからね。
 どうせ身ボロならとことん身ボロで行ってやらあ、と言うあたしなりのお洒落なのかも知れない。え、それの何処がお洒落なんだって? 正反対に走ってそこに命題を見出すってあれです。分からんって? そうですよね、屁理屈にさえなってないもんねw

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