2019年2月7日木曜日

閑話 その二百七十一





 去年は何かと多忙で、Yとの恒例の忘年山行ができなかった。で、新年山行を挙行したのだ。一月二十一日(月)二十二日(火)に堀山へ出掛けた。
 二十日はシルバーの仕事の朝番で昼過ぎに帰宅すると、妻が「Yさんから渋沢で待ってるんですけど」と電話があったと言う。日にちを間違えたのだ。慌てて電話すると、もう家で一杯やっていたw
 さて二十一日、快晴である。箱根蕎麦を覗くがいない。階段を降りて行くと呼ぶ声。喫煙所にYがいる。「二日続けてご苦労さん」と変な挨拶をしてあたしも一服つける。
 幕営具一式を背負っているので馬鹿尾根ではやけに目立つ。指定地以外幕営禁止なので、「どちらへ」と聞かれるのが一番困る。「行ける所迄です」とか訳の分からない返事をするしかない。
 八時台のバスだったので、其れ程登山者が多く無いのが救いだ。大方の人に抜かれ乍ら堀山に着く。此処から秘密の幕営地に入るのだ。木の根基にザックを置いてアタックザックを取り出して背負う。Yも心得ていてアタックザックに必要品は用意されている。
 そりゃそうだろう。Yは春山だけでも平成八年から登っているので二十二年のキャリアがある。其の前には十年以上、尾根や沢や路なき所を歩いて(歩かされて?)いるのだ。立派な登山者なのだ。それにしてはザックの中から物を出す時にもたつくのは、一寸と解せないけどね。
 この日の目的地は花立山荘、例の大階段を登り切った所だ。そこ迄行けば塔は近いのだが、その僅かなピストンが年寄りには大変なんだよお(涙)。
 荷が軽くなったので歩は進む。思いの外楽に大階段を登り切った。もう山荘の屋根が見えると声を描けると、「いや信じちゃいけない、そんな巧い話が有る筈無い。団子を売ってても馬糞かも知れない」と妙玲な御婦人が降りて来るのに気付かずにバカをのたまう。あたしが恥ずかしい思いをさせられただ。(続)

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