2019年2月10日日曜日

閑話 その二百七十二



 花立小屋前は、まず間違いなく人が休んでいる。夏なら掻き氷が大人気だ。確か三百円だったので、メッチャ安い! 氷は担ぎ上げるのだ。それにシロップもたっぷりかかっていると聞く(Y談)。
 この日は冬なので氷はやってない。我々はベンチで軽く昼飯である。富士が真っ直ぐ見えるが、時々どーっと雲の様なものが湧く。Yに「あれ何だか分かる」と聞くと「雪煙でしょう」と正解。うーん、前に話したか。
 と、雪冤が湧き上がった。カメラを向けた時は殆ど雪冤は消え、名残がたなびいているだけ。カメラを構えて次の雪煙を待つ気持ちなんざ更々無い。だから碌な写真が撮れないのだ、えっへん!
 あとは下ってテント場(?)へ行くのみである。大階段も下りとなると早い。随分苦労して登ったのにあっけなく下り終える。前面に広がる景色を見乍らだから気分は頗る宜しい。これが塔から下って来たのなら、一寸とは疲れを感じるが、其れは無い。花立小屋迄というのは大正解なのだ、年寄り達にはね。
 堀山の家も直ぐに着く。楽ちんで良いなあ。何だか山登りより楽ちんを重視している様だが、そうなのだ。新年山行だから。
 テント場(?)に帰り着けばテントを張るだけだ。平らな場所なので極めて容易だ。風も当たりにくい場所なので、フライ以外の張り綱は張らない。凄く手抜きでも宜しいのがこれまた嬉しい。
 テントに入ってチューハイで乾杯は恒例中の好例である。その為に来たと言っても良いのだから。ワーワー言い乍らコーヒーを沸かし、つまみを広げて焼酎や日本酒を飲む。山中の新年会ですなあ。
 冷えるのでバーナーは小さく点けっぱなしだ。900mを越えているので里より5℃以上気温が低いので当然なのだ。Yは薄い羽毛の服に羽毛のベストを重ね着している。(続)

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