2018年11月7日水曜日

山の報告です その七十七



 写真は蛭に取り付いたあたりのもの。蛭は勿論冬枯れです。
 さて、話はとっとと自炊室に行ってしまった。初日の経過時間に触れておこう。バスを降りてから六時間二十五分で蛭に着いた。地図上で六時間二十分だから五分オーバーだった訳だ。
 但し、地図時間には休憩は含まれていない。山小屋一泊の装備が標準なのだが、あたしは自炊なので地図の想定より荷は多い事になる。
とか言い募るのは五分オーバーが悔しかったんですなあ。枝の杖にすがって必死こいてた癖に、小屋に着いたとたんにこの元気w
 話を自炊室に戻すと、男性は「私は山だけ、山を取ったら何も残らない」と言うだけあって、月に三回は主郎縦走かそれに類した山登りをしているそうだ。前回は畦ヶ丸から入って大室山と檜洞丸を越え、臼ヶ岳でビバークしたと言う。偉いアルバイトだ。七十三歳とはとても思えない。
 流石にシェラフは持参しているが、NASA開発の保温シートをツェルト代わりしているそうだ。今回は八丁の避難小屋に泊まるつもりだったが、時間が早かったので蛭迄足を伸ばしたそうだ。で、予約無しだったのでブツブツ言われたと怒っていた。全く同感。
 女性は蛭は初めてだが、山には月に一度は登るとの事。装備は確りしている。山ガールの進化型と見た。翌日は檜洞丸に向かうのだが、鎖場が不安だと言う。おじさん二人で「大丈夫!」と請け合う。
 男性は「冬は下らない方が良いなあ」と言うが、その通りだ。驚くほど手入れされ下り易くなってはいたが、急で足元の悪い場所が多いのは確かだ。凍ると厄介に決まってる。
 あたしがハイボールのロング缶を飲んでいると男性は「それ、良いなあ」と言う。その癖自分は酒を持っていないし、小屋で買いもしない。女性も酒は飲まない。
 え、あたしだけが飲んべなんかい? ハイボールの後にはウイスキーを飲むんだし。酒無しの山小屋の夜なんて考えられない。(続)

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