2018年11月10日土曜日

山の報告です その七十八



 その男性が言うには「丹沢で一番食事が悪いのが蛭の小屋、一番良いのが丹沢山」との事。レトルトばかりだからかと聞くと「佃煮しかないんだ、佃煮のバイキング」。飲みかけていたハイボールを吹いちまった。
 食事室を覗いたら、六人が食事中だったが、机に小鉢が並んでいて佃煮が入っている。確かに佃煮のバイキングだ、はっはっは。
 「こっちの方がよっぽど美味いや」と男性はカップ麺を食べだした。女性もカップ麺を造り始めた。ではあたしもと、定番のおかゆを出そうとしたら無い。ヤベー、忘れて来たんだ。まあ良いのさ、ナッツや揚げたイカでも食べれば上等さ。
 定番のおかゆってえのは、前にも書いたかも知れないが、夕食はおかゆなのだ。スーパーで売ってる温めて食べる普通の奴。あと梅干しと味噌汁にチーズも一つ食べる。そんなんで歩けるのかって? だからとても大変な思いなの(涙)。
 ポリポリと訳の分かんない物を食べてウイスキーを飲むと、もう寝るだけだ。男性が酒でも飲むなら別だが、一人でガブガブやるのも馬鹿らしい。お先に、と寝て仕舞った。
 当然早く目覚める。ライトを頼りに自炊室へ行き、モーニングコーヒーを沸かして表で一服点け乍ら飲む。濃霧である。ほんの僅かに霧雨っぽい。こりゃあ日の出どころじゃない。昨日がこうでなかっただけ増しと思おう。
 ローソクを点けて朝飯の仕度をしてると小屋番が起きて来た。電気を点けろと言ってストーブも点火してくれた。一気に明るく暖かくなったのは目出度い。
 カップ麺を食べていると、昨夜の男性と女性も起きて来た。濃霧にがっかりしている。皆さんも日の出が楽しみだったのだろう。山はお天気商売なので仕方ないさ。
 明るくならなければ出発できない。お茶を沸かして又一服点ける。えらく余裕のある朝だった。たまには良いでしょう。(続)

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